2025.03.26

製造業の年収は低い?産業別ランキングで比較!

「製造業は年収が低い」
そんなイメージを持っている方もいるかもしれませんが、果たして本当にそうなのでしょうか?
本記事では、厚生労働省のデータをもとに産業別の年収をランキング形式で比較。
また、製造業における正社員と非正規社員の収入差や、それぞれの雇用形態のメリット・デメリットを解説します。

製造業の年収は?産業別ランキング

2023年に行われた厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、各産業の「2023年6月の賃金」は以下のとおり。

※参照元:厚生労働省┃令和5年賃金構造基本統計調査の概況┃第5-1表 産業、年齢階級別賃金及び対前年増減率(PDF10ページ)

製造業の概算年収は367万2,000円で、全産業の中で10位にランクイン。
全16業種中の10位なので、平均よりやや低めの位置にあります。
ちょうど業界の中間層に位置しており、上位(電気・ガス業や金融業など)と比べると低いですが、特別低賃金というわけではありません。

また、前年と比べた賃金の増減率は+1.5%。
これは、上昇率が高い「サービス業(+6.4%)」や「鉱業(+5.6%)」ほどではないものの、「情報通信業(-0.6%)」や「教育(-0.1%)」よりは伸びています。

1位の「電気・ガス・熱供給・水道業」の概算年収(492万2,400円)と比べると、約125万円の差があります。
上位業界との収入にはまだ開きがあると言えるでしょう。

《 補足 》
※賃金=令和5年(2023年)6月分として支払われた所定内給与額の平均額
※概算年収=賃金×12として、概算の年収を計算

正社員と非正規社員、月収の差は?

大前提として、正社員と非正規雇用(派遣・契約社員・パートなど)の賃金差は、どの業種でも少なからず存在します。
固定給の差や昇給の機会、各種手当の有無などが主な理由です。
その点も踏まえて、正社員と非正規社員の賃金を比較してみましょう。

製造業の正社員と非正規(派遣・契約社員)の賃金比較

※参照元:厚生労働省┃令和5年賃金構造基本統計調査の概況┃第6-3表 雇用形態、性、産業別賃金、対前年増減率及び雇用形態間賃金格差(PDF13ページ)

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、製造業における正社員・非正規社員の2023年6月の賃金は以下のとおり。

【製造業】
・正社員:32万4,700円
・非正規:20万5,500円

正社員と非正規の間で月収にして約12万円の差がある計算です。
この差は単に「基本給の違い」だけでなく、昇給や賞与、手当の有無などが影響していると考えられます。

雇用形態の賃金格差が最も大きいのは?

産業全体を見渡すと、正社員と非正規の賃金格差が最も大きいのは「卸売業・小売業」で、非正規の給与水準が正社員の61.5%です。
製造業は「63.3%」で、金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業などと同率の3位に位置します。
全産業の中では、格差が大きいほうの部類に入ります。

一方、情報通信業や建設業、鉱業・採石業・砂利採取業などでは非正規の水準が正社員の70~90%ほどに達しており、業界によってその差が異なります。
これは、それぞれの業種が求めるスキルや資格の専門性、給与テーブルの作り方が違うためと考えられるでしょう。

《 補足 》
※正社員=元データ表記は「正社員・正職員」
※非正規社員=元データ表記は「正社員・正職員以外」
※賃金=令和5年(2023年)6月分として支払われた所定内給与額の平均額
※賃金格差(%)= 非正規の賃金 ÷ 正社員の賃金 × 100
正社員と非正規社員の賃金格差は、正社員の賃金を100%としたとき、「100%とどの程度差があるか」で考えられています。
製造業を例に出すと、正社員の賃金32万4,700円に対して、非正規の賃金20万5,500円は「63.3%」です。
100%に近いほど格差が小さく、100%から遠いほど格差が大きいと言えます。

製造業の正社員と派遣、それぞれのメリット・デメリット

製造業では、正社員として働くか、派遣社員として働くかによって、キャリアの安定性や働き方が大きく異なります。
どちらの雇用形態にもメリット・デメリットがあるため、自分のライフスタイルやキャリアプランに合った働き方を選ぶことが大切。
それぞれの特徴を解説します。

製造業の正社員のメリット

雇用が安定していて収入も読みやすい

毎月の固定給があり、賞与も出ることが多いので、将来の生活設計がしやすいです。
長く働くほど昇給や役職アップのチャンスがある会社もあり、腰を据えて働きたい人にとってメリットの多い働き方です。

福利厚生が手厚い

社会保険や住宅手当、家族手当などの各種制度が整っている会社が多く、安心して働ける環境が用意されていることが多いです。
自分や家族の生活に直結する部分なので、やはり大事なポイントです。

スキルアップやキャリア形成がしやすい

同じ会社で経験を重ねることで、スキルが身につきやすく、管理職への道も比較的開けています。
部署異動などがあれば様々な業務を経験できるため、視野を広げるチャンスになるかもしれません。

製造業の正社員のデメリット

転勤や配置転換がある場合も多い

大きな会社ほど「この部署に行ってほしい」「別の工場で働いてほしい」と言われるケースがあります。
家族やライフスタイルの変化に合わせづらいこともあるので、柔軟な働き方を求める人には負担になることも。

業務範囲や責任が広がりがち

正社員は会社の中核メンバーという意識を求められるので、残業や休日出勤を任されたり、雑務までカバーしなければならないこともしばしば。
逆に「裁量が大きい」と感じられる場合もありますが、やることが増えて大変に思う人も多いでしょう。

職場が合わなくても簡単に辞めづらい

正社員として採用されると、職場の雰囲気や仕事内容に違和感があっても、そう簡単に辞めにくいというのが本音です。
転職となるとハードルが上がる面もあるので、じっくり考えなければいけない場面も出てきます。

製造業の派遣社員のメリット

比較的短期間から気軽に働ける

「とりあえず今のスキルを活かして働きたい」「どんな仕事か試してみたい」という人にとっては始めやすいのが派遣の良さ。
契約更新のタイミングで違う職場へ移ることもできるので、自分の都合に合わせやすい働き方です。

未経験OKの求人が多い

製造業の派遣では、未経験者でも受け入れてくれる職場が割と多いのが特徴です。
新しいことに挑戦したい人や、これから製造の現場を学びたい人にとっては、良い入り口になります。

派遣から正社員を目指せる可能性もある

職場によっては、頑張りや適性を認められれば正社員登用が狙えるケースもあります。
実際に働きながら雰囲気や仕事を理解してから決断できるので、ミスマッチのリスクを軽減できます。

製造業の派遣社員のデメリット

契約期間の満了で仕事が終わることがある

更新なしと言われればそこで終了なので、「せっかく慣れてきたのに」と感じることもあります。
次の仕事を探す手間があるのは、どうしても不安要素のひとつです。

給与や福利厚生に差が出ることが多い

時給制だったり、賞与が出なかったりと、正社員と比べると手当などに違いがあるのが現状。
また、正社員ほどの福利厚生は整っていないことが基本なため、給与以外のプラスアルファを求める人にとってはデメリットです。

キャリアアップが限定されがち

派遣社員は、責任のあるポジションに就きづらかったり、管理職などに登用されにくい働き方です。
専門技術を磨くには良い側面もありますが、組織内でのポジションを考えると伸び悩む面もあるかもしれません。

製造業の正社員と派遣社員、どっちを選ぶべき?

正社員には雇用の安定やキャリアアップのチャンスがある一方で、転勤や責任範囲の広さといった負担がつきまとうことも。
派遣社員は契約期間や福利厚生面で制約がある反面、気軽にスタートできるなどのメリットがあります。
「どちらが正解」というよりは、自分が望む生活や将来設計に合った働き方を選ぶことが大切。
仕事探しで迷ったときは、人材派遣のプロ、エージェントに相談することをおすすめします。

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まとめ

厚生労働省の調査結果によると、製造業の年収は全産業の平均よりやや低めの順位。
ですが、特別低賃金というわけではなく中間層に位置していると言えます。
正社員と非正規社員の給与格差はどの業種でもありますが、製造業では約12万円ほどの差があります。
正社員と派遣社員、働き方に明確な正解はなく、派遣社員から正社員を目指すことも可能。
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