2024.11.11

製造業の職務経歴書の書き方とは?生産管理・生産技術の例文もあり

製造業での転職を実現するためには、これまでの職歴や人柄をアピールするための職務経歴書を作成する必要があります。
本記事では、製造業を志望する方に向けて、職務経歴書の書き方やポイント、具体例をご紹介します。
未経験者や異業種からの転職を考えている方も、ぜひ参考にしていただければと思います。

職務経歴書を書く時のポイント

募集要項で求められていることを把握する

製造業の職務経歴書作成の第一歩は、募集要項を十分に確認することです。
企業が求める人材像や必要なスキルを把握し、自身の経験やスキルがどのように合致するかを明確にしましょう。
例えば、特定の機械操作経験や品質管理の知識が求められているか、チームワークやリーダーシップが重視されているかなど、会社のホームページや求人サイトから確認します。

職務経歴や実績は具体的に記載する

職務経歴書では、実績を具体的な数字で示すことで採用担当者へ実績を伝えやすくなります。
「生産性向上に貢献した」という抽象的な表現ではなく、「ラインの改善により生産性を前年比15%向上させた」というように具体的に記載しましょう。
担当した製品の種類や生産量、使用した機械や設備の名称、業務で行った改善内容なども詳細に記述します。
品質管理や安全管理の成果も数値化して伝えることで、自身の貢献度を明確に示すことができます。

自己PRで具体的なエピソードを交える

・製造業経験者の場合
自己PRでは、製造業での具体的な経験を交えることで印象的なアピールができます。
機械トラブルへの迅速な対応や新製品立ち上げ時の課題解決など、実際に対応したトラブルや解決策を簡潔に述べましょう。
例えば、生産ライン停止の危機を回避した経験。予想外の不良品発生時に、製造工程を改善した実績などが効果的です。

また、日々の業務改善活動での成果も重要なアピールポイントです。具体的な改善案と結果を数字で示すと、より説得力が増します。
さらに、チーム内でのコミュニケーション改善策や後輩指導での工夫なども、製造業で重視される協調性やリーダーシップを示す良い例となります。
これらのエピソードを通じて、問題解決能力、改善意識、チームワーク、指導力などの多面的なスキルをアピールできます。
具体的で簡潔な記述を心がけ、自身の強みが製造業でどのように活かせるかを明確に伝えましょう。

・製造業未経験の場合
未経験者が製造業に挑戦する際、自己PRでは製造業に対する意欲とこれまでの経験をどのように活かせるかを強調しましょう。
例えば、「前職では接客業を担当しており、顧客対応を通じて培ったコミュニケーション能力を活かして、製造現場でもチームと連携して業務を進めていきたい」といった具体的なエピソードを交えると良いでしょう。

また、未経験であっても自主的に製造業に関する知識を学んでいることをアピールするのも有効です。
例えば、「オンラインで製造業の基礎講座を受講し、製造工程に関する基本的な知識を習得しました」といった学習意欲を示すことで、採用担当者に前向きな印象を与えることができます。
製造業に必要な体力や集中力といった自身の強みを、どのように活かしていくかを具体的に述べることも効果的です。

職務経歴書の基本構成と書き方

職務要約

職務要約は、これまでの職務経歴を簡潔にまとめる欄です。
前職の経験年数や携わった製品、工程を記載して、スキルや成果も合わせて簡潔に記載すると良いでしょう。
例えば、「○○株式会社に入社後、自動車部品の製造ラインで5年従事しました。プレス加工からアセンブリまでの生産ラインを担当。品質管理責任者として不良率を50%削減。改善活動のリーダーとして年間100件以上の改善提案を実施しました。」のように、具体的な数字や成果を交えて記述します。
キャリアの転換点や特筆すべき実績があれば、それも簡潔に触れましょう。

職務経歴

職務経歴では、過去の勤務先での具体的な業務内容や役割を詳細に記載します。
例えば、「株式会社〇〇(2015年〜2023年):生産ラインの管理者として、業務工程の改善を担当し、作業効率を15%向上させました」など、職務ごとに具体的な成果を挙げると効果的です。
業務内容を時系列で整理し、それぞれの経験がどのように役立つかを明確に伝えることで、採用担当者に好印象を与えます。

資格・スキル

製造業の職務経歴書では、製造業で重視される資格や技能を中心に記載します。
技能検定(機械加工や電子機器組立て)、QC検定、安全衛生推進者、フォークリフト運転技能講習などの資格があれば、必ず明記しましょう。
また、ISO9001やIATF16949といった品質管理システムに関する知識や経験も評価されます。

さらに、使用できるツールや機械について具体的に記載することで、即戦力としてのアピールができます。
例えば、三次元測定機の使用実績」や「CADソフトのスキル」など、具体的な機種名やソフトウェア名を挙げると良いでしょう。

自己PR

自己PRでは、自身の強みや特徴を製造業の文脈に沿って具体的にアピールします。
「品質へのこだわり」「効率化への情熱」「チームワーク力」などのキーワードを軸に、具体的なエピソードを交えて記述しましょう。
例えば、「品質管理の責任者として、不良率0.1%以下という高い目標を達成するため、日々の検査工程を見直し、従業員教育を徹底しました。その結果、1年間で不良率を0.5%から0.08%まで低減させることができました。」のように、数字を交えた具体的な成果を示すことで採用担当者にも伝わりやすくなります。
また、製造業では継続的な改善活動が重視されるため、「常に改善の余地を探る姿勢」をアピールすることも有効です。
チームワークやリーダーシップに関するエピソードも、製造業の職場で重要視される要素なので具体的に記述しましょう。

職務経歴書の例

1.品質管理

【職務要約】
株式会社〇〇に入社後、約5年間自動車部品の品質管理に従事しています。
製品の品質維持および向上に貢献し、工程の見直しと従業員教育を通じて不良品率を50%削減しました。
さらに、工程管理の精度向上にも取り組み、品質管理の効率を高めました。
ISO9001の取得プロセスにも関与し、品質マネジメントシステムの構築をサポートすることで、社内の品質基準を強化しました。
また、サプライヤーとの連携を強化し、部品品質の向上を図る取り組みも行い、全体的な品質水準の底上げに成功しました。

【職務経歴】
・株式会社〇〇(2018年–2024年)
・自動車部品の品質管理業務を担当。
・製品検査工程の見直しと改善活動を実施し、不良品率を50%削減。
・ISO9001の認証取得を支援し、品質管理プロセスの標準化を推進。
・QC活動を通じて社内品質改善チームのリーダーを務め、年間50件以上の改善提案を実施。

【資格・スキル】
・ISO9001内部監査員資格
・QC検定2級
・三次元測定機の操作スキル
・品質管理に関する基礎知識と応用力

【自己PR】
品質管理に対する情熱を持ち、継続的な改善活動を推進してきました。不良品率の削減だけでなく、従業員教育を通じてチーム全体の品質意識向上にも貢献しています。品質改善活動では、定期的なトレーニングセッションを実施し、品質管理に関する知識の共有とスキルアップを図ってきました。これにより、現場全体の品質に対する理解を深め、問題発生時の迅速な対応が可能となりました。また、品質管理プロセスの標準化にも取り組み、効率的な作業手順の確立と品質基準の統一を達成しました。これまでの経験を活かし、さらなる品質向上と効率化を目指して取り組んでいきたいと考えています。

2.生産技術

株式会社△△に入社後、約5年間自動車部品製造の生産技術に従事しています。
新製品の立ち上げや既存製品の改良に関わり、生産ライン全体の効率化に取り組んできました。
特に、生産ラインの設計から導入、設備の保全に至るまでの各プロセスを管理し、設備導入によって生産効率を20%向上させた経験があります。
また、改善提案活動を通じて現場スタッフとの協力体制を築き、生産工程の見直しを行うことで、製造コストの削減や生産性の向上にも寄与しています。

【職務経歴】
・株式会社△△(2019年–2024年)
・生産ラインの設計および立ち上げを担当。
・新規設備の導入により、作業効率を20%向上させることに成功。
・現場スタッフと連携し、生産プロセスの改善活動を推進。
・年間30件以上の改善提案を実施し、生産コストの削減に寄与。

【資格・スキル】
・生産技術管理士資格
・CADソフト(AutoCAD)の操作スキル
・設備保全・メンテナンスの知識
・生産ラインの設計および改善の実務経験

【自己PR】
生産技術分野で培った経験を活かし、効率的で安定した生産ラインの構築に尽力してきました。
現場スタッフとの協力を重視しながら、生産工程の見直しや最適化に取り組むことで、品質と生産性の両立を目指してきました。
設備の導入や改善活動を推進する中で、チーム全体の生産性向上に寄与し、現場の声を反映した柔軟な対応を行ってきました。
また、改善提案活動にも積極的に取り組み、年間30件以上の提案を実施し、コスト削減や作業効率の向上を達成しています。
さらに、トラブル発生時には迅速に原因を特定し、適切な対策を講じることで、ダウンタイムの最小化を図りました。
今後も、技術力を駆使して生産現場の改善と効率化を目指し、より高い付加価値を提供できる生産体制を構築していきたいと考えています。

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まとめ

製造業の職務経歴書作成において、重要なのは具体性と定量的に実績を伝えることです。
抽象的な表現ではなく、具体的な経験や成果を数字で示すことで、自身の能力と貢献度を採用担当者に伝えることができます。
また、製造業で使われる言葉(品質管理、生産効率、カイゼン活動など)を適切に使用することで、業界への理解度と適性をアピールしましょう。

未経験者や異業種からの転職を考えている方は、製造業で活かせる汎用的なスキル(問題解決能力、チームワーク、改善への意欲など)を強調し、製造業への熱意や学習意欲をアピールすることが重要です。職務経歴書は、あなたの経験と能力を効果的にアピールするツールです。
本記事を参考に、自身の強みを最大限に活かした職務経歴書を作成し、製造業での転職を目指してください。

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